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当店が対面販売を大切にしているワケ

公開日

当店はお客さまのニーズ(使用目的、品種、カラーやテイスト、サイズ、お部屋での設置位置、搬入経路、ご予算など)をお尋ねしてご説明、ご相談しながら、お一人お一人に最適な家具をプロがご提案する対面販売を基本としています。

たくさんの商品を知り尽くし、たくさんのお客様に実際に商品を自社便でお届けし、たくさんのお客様から良し悪しを含めた反応をお聞きして、それらを糧に、さらにご提案力に磨きをかけています。

迷ったらぜひご相談してみてください。きっといい答えが見つかると思います。

 

今日は食器棚をめぐる ある日のお客様との会話の一部をご紹介します。

 

 

お客様「MOISS(モイス※)が付いている食器棚が欲しいのですが…」

(※食器棚のカウンター天井部などに施す湿気を吸放出する役割を果たす部材)

 

私  「こちらなどはMOISS付きになっていますがいかがでしょうか?」

 

お客様「MOISSってどうですか?いいんですか?」

 

私  「いいところもありますし、マイナス面もあるんですよ。プラス面はお客様もご存じかもしれませんが、家電から排出される湿気を吸ってくれることです。
   
悪いところはお掃除がしにくいところです」

 

お客様「え?掃除する必要があるんですか?」

 

私  「はい。例えば炊飯器などからはでんぷん質を含んだ蒸気が出ます。
   MOISSは水分は吸収しますが、でんぷんは吸収しません。
   使っていますとでんぷん質がMOISSの表面に膜状に残り水分の吸放出機能を奪ってしまいます。

   また細菌なども繁殖しやすくなるので、その際はMOISSの表面を紙やすりなどで削って新しい面を露出させる必要があります。ちょっと厄介ですよね」

 

お客様「なるほど。でもMOISSが付いていなかったら天井のところは大丈夫ですか?湿気で傷んでしまうのでは?」

 

私  「(別の商品を指して)こちらの商品はいかがですか?水分に強い天井部材を使っていますので大丈夫です。
   それに水拭きもできますので、いつでも清潔にお使いいただけます」

 

お客様「MOISSは拭いてもいいんですか?」

 

私  「MOISSを拭くのはちょっと難しいですね。

   でも家電から出る蒸気は カウンターの中にモクモクといつまでも留まっているわけではなくて
   ほとんどの蒸気は食器棚から離れてどんどん逃げてしまいます。

   MOISSには換気扇のように自ら積極的に蒸気を吸収しに行く機能はなくて、
   たまたまカウンターの天井部についたわずかな湿気を吸収するという程度とお考えいただいていいと思います。

   MOISSはそもそも家具用材ではなくて、お部屋の調湿をするための建築素材なんです」

 

お客様「そうなんですね。MOISSが付いてない食器棚は選んではダメなのかと思ってました」

 

私  「MOISSが全面的に悪い訳ではありません。長所と短所があります、ということです。

   なんだか悪いことばかり話してしまったようですが、
   MOISSにはホルムアルデヒドなどの有害な揮発性物質を吸着、低減したり、
   臭いを抑えるなどの効果もあります。

   しかしいずれにしてもMOISSの有無が食器棚選択の決定打にはならない、という程度でいいと思います」

 

お客様「どの食器棚を見ても同じようにしか見えない中で、
   ネットにも『MOISSは絶対』みたいに書いてあるし、
ついついこだわってしまいました。

   他に機能面で商品による違いというのはどんなところがあるのですか?」

 

私  「話し始めると一日中しゃべれるくらいですが、
   重要なのにお客様が比較的見落としがちなことの一つに、奥行の話があります」

 

客様「家電を置くためと、食器の収納に必要な寸法で50cmくらいがおすすめ、とネットに書いてありましたけど」

 

私  「そうですね。食器棚の奥行は確かに50cmくらいのものが良く売れています。

   ところで同じ50cmの奥行のこちらの二つの食器棚を比べてみてください。
   どちらの引出しが収納力がありそうですか?」

 

お客様「えっ?サイズが同じなんだから 収納力も同じじゃないんですか?」

 

私  「引出しの中の寸法を測ってみますね…どうでしょうか?…」

 

お客様「あれ?」

 

私  「はい。外寸は同じ50cmなのに、一方の引出しの内寸奥行は37cm、もう一方は44cmです」

 

お客様「おぉ!」

 

私  「『50cmがおすすめ』というネット上の案内は間違ってはいないかもしれませんが、
   『それが全て』と勘違いさせるようなところもありますよね。

   重要なのは引出しの内寸なのに、です。

   どこまできちんと奥行を無駄にせずに作るかというこの差は、価格差にも現れてしまいますが…

   では今度はカウンターの上に油性マジックで落書きをしてみますね」

(油性マジックで食器棚のカウンター上に実際に落書きをする私)

 

お客様「あぁあ!」

 

私  「大丈夫です。

   何も付けていないただのティッシュで拭いてみますね」

 

お客様「…!」

 

私  「こんなふうに綺麗に消えてしまいます。

   こちらの食器棚はお使いいただいて10年後の綺麗さが他の商品とはまったく違うと思います。

   (別の食器棚を指して)こちらのに書いてはダメですよ。消えませんので(^^;」

 

お客様「へえ、同じような白いツルツルした素材に見えるのに、違うんですねぇ~!」

 

という感じでまだまだ続くんですけど、食器戸棚にまつわるほんの部分的なお話でもこんなにいろいろあります。

これらのことをメーカーホームぺージや、SNSなどのメディアから得ようとすると、ちょっと大変な時間と作業量が必要で、さらにそれで得た情報が正しいのかどうかということになると本当にこれはもうタイヘンです^^;

 

そして、ソファもベッドもテーブルもチェアも一枚板も机もチェストも、
ウォールナットもオークもタモもナラもチェリーもメープルも、
革も布も合成皮革も、

ずっとこんな感じでいろいろあってキリがないんです(^^;

 

家具に関すること、何でもお尋ねくださいね♪

 

2025.11.2 インテリアコーディネーター(950487A) 小川登志洋

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