リビングダイニングセットは本当にリビングダイニングセットか?というおはなし
公開日 2017/11/27 更新日
ソファにも食卓にも使える!ソファとダイニングセットの機能を一つにして、お部屋を広く使おう!
最近流行りのリビングダイニング(LD)セットにありがちなキャッチコピーです。
なかなかカッコいいですよね。上の商品(LDセット)はまもなく展示予定です。
LDルームに食卓とソファ、両方置こうとすると手狭になるので、一つで済ませようという考え方はとても良いと思います。
またいつかお話しすることがあると思いますが、家具を購入しようとするときに、一つの目的のために一つの家具を買うというのはあまり良いことではありません。
テレビを置きたいからテレビ台、パソコンをしたいからパソコンデスク、FAXを置きたいからFAX台、絵本を整理したいからカラーボックス、というふうにやっていくとお部屋がめちゃくちゃになるだけでなく、コスト的にも実は非常に不利です。
一つの家具を使って、あれと、あれと、あれを兼用出来ないかな?と考えて選ぶのが賢い買い物です。
あっ、すみません。今日はLDセットのおはなしでした。
LDセットはまさにソファと食卓の機能を兼用した商品になるわけですが、このLDセットに限って「どちらにも使えます」には大変ギモンを持っています。
何をもってLDセットというのか?は色々な考え方があると思いますけど、例えば椅子の座面高はソファ→LD→ダイニングチェアの順に高くなりますし、座面の奥行きは同じ順番で浅くなっていきます。
いわゆるソファの前で使うセンターテーブルの高さが40cm前後に対して、LDのテーブルは60~65cm、ダイニングテーブルは70cm前後となります。
食事や勉強をするのに適した椅子とテーブルの関係から食卓(ダイニングセット)の寸法体系が出来ていますし、寛いだり、ゆっくりテレビを見たりするのに具合がいいようにソファの寸法体系が出来ています。
で、LDセットは単純にその中間くらいの寸法体系で出来ているといって良いと思います。
ということは、
一般的にLDセットは、正しい姿勢で食事するという視点から見ると、通常のダイニングセットの50%くらいの満足感を得られます。
一般的にLDセットは、ゆっくりと寛ぐという視点から見ると、通常のソファの50%くらいの満足感が得られますというのが正しい説明です。
「どちらにも使えます」は裏を返すと「どちらにも満足には使えません」とも言えるのですね。
LDルームに十分な広さをお持ちのお客様は、ソファと食卓をキチンとご用意いただくことをお奨めします。
その際は例えばカチッと座れるダイニングチェアと、対照的にフワッと柔らかいソファ、といったように掛心地にはっきりとしたメリハリのあるものをお選びいただくと良いと思います。
家族の人数や間取りにもよりますが、LDルームがどうしても8帖以下になってしまう、というお客様の場合はLDセットをご検討いただいても意味があると思います。
最近、お部屋に十分な広さをお持ちなのに、わざわざ「どちらにも使えない」(流行りの)LDセットをご検討されている方が少なくないので、こんなおはなしをしました。
「食べる」「寛ぐ」は出来れば100%機能を発揮できる家具でお願いしたいなあ、というおはなしでした。
2017.11.27 インテリアコーディネーター(950487A) 小川登志洋