インテリアの流行とSNS
公開日 2022/07/09 更新日
ファッションほど顕著で短期ではありませんが、家具、インテリアにもトレンドがあります。
主には住宅産業の内装や設備の流行が先行し、その後追いのようなカタチでインテリアの色や素材、テイストといったトレンドが決まります。
最近ですと住宅設備メーカー リクシル様のキッチンのワークトップにセラミック素材が使われ大ヒット。
これに呼応してセラミック素材を使用したダイニングテーブルが隆盛しています。
こうなると例えばSNS上でもセラミックを使用した家具がわ~っとたくさん目にするようになり、そしてますます需要が伸びていきます。
どこの家具屋さんに行っても、セラミック("調"も含め)のダイニングテーブルがこれでもか!
というくらいに店頭に並び、どこのお家に行ってもセラミック("調"も含め)のダイニングテーブルを使っているという、ちょっと怖い(?)現象が起きます。
ブームが一巡すると、やがて建築、インテリア業界が主導して次の流行を作り出します。
そうしないと流行させたセラミックの需要が頭打ちになって、市場が縮小してしまうからです。
私の肌感覚ではセラミック素材の流行はすでにピークを脱したと思います。
こうして一つのトレンドは陳腐化していきます。
お客様が能動的に好き嫌いを判断して、それぞれのインテリアをチョイスしているのではなくて、実は業界やSNSに大きく左右されて、一つの同じ方向に一斉にドバっと動いているというのがここ最近のインテリアトレンドの状況です。
洋服でしたら1年で流行が去ったら捨ててしまうとか、取り敢えずもったいないから箪笥の肥やしにしておく、というのもできますが、家具はなかなかそうもいきません。
もう少し長いタームで、陳腐化しない、愛着を持って使える、ご自分だけの家具を選んでいただくと良いのかなあ、と最近つくづくそう思います。
2022.7.9 インテリアコーディネーター(950487A) 小川登志洋