ベッドのサイズのおはなし
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家具をお求めになる際に注意しなければならないことはたくさんあるのですが、その中でも分かってるようで、意外と分かっていない、ベッドマットレスのサイズのおはなしをしたいと思います。
マットレスのサイズはJIS規格(日本工業規格)によって細かく定められています。
シングルとかダブルとか、マットレスにサイズがあることは皆さまよくご存じかと思いますが、JIS規格では実はそのような呼び名がありません。
代わりに幅について基準となる寸法をミリ単位で定めて、それに略号を付けています。(同時に許容される誤差も定められています)
例えば幅980mmのマットレスは略号09です。
しかしJIS規格の略号でサイズを呼びますと非常にややこしく間違いのもとになりますので、消費者も小売店もメーカーも流通上便利な呼称として慣習的にシングル、ダブルなどの呼び名を使っています。
まとめますと下の表のようになります。
(なお、長さについても同じように定められていますが、高さ(厚み)についての定めはありません。また「フレームはマットレスのサイズに準ずること」となっています)
一般的な呼称のシングル(幅約100cm)、セミダブル(120cm)、ダブル(140cm)の3サイズについては、慣習に頼ってしまってほぼ大丈夫ですが、お気を付けいただきたいのがそれ以外のサイズの部分です。
例えば幅1520mm付近のマットレスについては、ワイドダブルと呼んだり、クィーンと呼んだり、メーカー、小売店によっても呼称が異なっています。
さらに幅1600mmを超えるサイズのマットレスも実際には存在します。
幅1800mmをキングと表記するお店もあれば、シングル×2台のツインベッド(2台で幅約2000mm)を指してキングと呼ぶメーカーもあります。
フレームをA店で購入して、マットレスをB店で購入する場合や、フレームはそのままでマットレスのみをお買い替えになる場合など、一般的な呼称だけでベッドをお求めになってしまうと結果的にフレームとマットレスのサイズが合わない、なんていうことになってしまうことが十分あり得るのですね。
少し状況は違いますが、私の実際の経験で、あるお客様がご自分の使っているフレームがセミダブルだとばかり思いこんでしまってセミダブルのマットレス(幅1200mm)を購入したら、実際のフレームは1100mm(当店ではワイドシングルと呼んでいます)しかなくてマットレスがはみ出てしまった、ということがありました。
ご不安のあるお客様は「シングル」「ダブル」などの一般的な呼称はやめて、ちょっと面倒でも「幅〇〇cm」という言い方で店員さんと話すのが良いかもしれませんね。
ということでベッドのサイズのおはなしでした。もし分からないことがありましたら、お気軽にご質問もお待ちしております。
よい睡眠で健康維持を。
2025.1.20 インテリアコーディネーター(950487A) 小川登志洋